体調不良をアピールする子

「うっ、お腹痛い…」
学校で仕事をしていると、
何かと体調不良をアピールしてくる生徒に遭遇することがあります。

やっている本人は、
悪意も策略もないことが多いです。
純粋に
自分の気持ちを行動で表現しているんですね。
(本当に痛みや苦しみがあることもあります)

ただ、
周りの人達からは
こういった行動は
「人を操作しようとしている」と感じられ
イラっとさせられます。

本人は苦しみを訴えている(ケアが欲しい)のに
周りから嫌われる、
嫌われて傷つくからますますケアが欲しくなる、
なので苦しみを訴え続けるという
負のループに。

本人は欲しいものが手に入らないし
周りはイライラが増えるし、
誰にもいいことがありません。

なので、
体調不良をアピールする子には、
欲しいものがスムーズに受け取れて周りに不快感を与えないような方法を
教えてあげること。
つまり
言葉で気持ちを表現するよう導いていきましょう。

以前
してもらいたいことがある時や、
自分が大事にされているか確認したい時に
何かと床に倒れこむ生徒がいました。

同級生からも教職員からも
それで快く思われていませんでしたし、
もちろん僕も、
倒れこまれていい気はしませんから
その子が倒れこむアピールをしてきた時、
あえて無視する、なんてこともしてみました。
でもそれはそれで、
罪悪感を感じてしまうんですね。

そこで
「ちゃんと言葉で言って下さい、
 言葉でさえ言ってくれれば、ちゃんとその通りにします」
と伝えました。

その生徒に「○○して下さい」と
自分の要求を言わせた後、
僕は言った通りにしました。

そして
その子に関わる教員全員と 
『体調不良アピールをしてきたら
 こちらにどうしてもらいたいのかをきちんと言わせ、
 言ったらその通りにする』
(無理なものは無理と言って断ってもいい)
という方針で対応しました。

その後 
学校で体調不良アピールすることがなくなり
自分の要望をきちんと言葉で伝えてくるようになりました。
(病院など別の場所では相変わらず
 体調不良アピールを繰り返していました)

その時思ったのが、
この子に関わる大人が
ちゃんと気持ちを言葉にする練習を
子どもにさせて来なかったのではないか、
面倒だからと、
大人が聞く耳を持っておらず、
子どもが諦めてしまって
幼児的な方法しかできなかったのではないか、と。

乳幼児の
友達を叩いたり物を投げたり等の問題行動は
言葉が出てくる頃になると激減するそうです。

日本人は
「以心伝心」に頼りすぎて
ちゃんと言葉で気持ちを表現する、という指導を
思っている以上にしてきていないのかもしれませんね。

そんなことを考えながら
精神分析フロイトの言葉を思い出しました。
『問題行動あるところに言葉あらしめよ』

 

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不登校生が薦めてくるものの意味

「これ見て」
不登校中の子どもから
動画、音楽、漫画、アニメなどを
薦められてくることがあります。

 

「何これ、こんなものばかりに夢中になって

 ちょっとは勉強のこと考えてくれたら…」
などと
子どもが薦めてくるものを
疎かに扱ってはいけません。

 

『この子が今 関心を持っているのはこれなんだな』
と知って、認めること。
「面白そうね」「何これ、もっと教えて」と
興味を持って応じます。


子どもが関心を持っているものは
今後 外に出ていくときに必要な
アイデンティティの一部となるものだからです。

 

ちなみに
アメリカの社会心理学者の調査によると
思春期・青年期は
どんな音楽や本、ファッションなどを選ぶかで
同年代間の社会的地位が決まるのだそう。

 

たまに
「褒めるところなんて一つもありません」と言って
子どものすることを冷ややかな目で見ている親御さんがいます。
そういった親御さんの子は

ずっと家の中に居続けたままです。

 

子どもが外の世界に出ようとするには
自信が必要です。
子どもが関心を持っているものを認めることは
子どもを認めること。
大人に認められると
自信がつき、自立心が育まれます。

 

その作品のどこに感動したのか、
どのキャラが好きなのかなど
好きポイントを本人に教えて貰えると良いです。

不登校の子には
自分の気持ちをうまく言えない子も多く、
好きな作品や人物に自分を投影し
代わりに語ってもらおうとすることも多いのです。

本人の抱えている課題や、
自己イメージなどがわかることがありますし、
好きなものに関してだと
重い口も開きやすくなります。

 

自分を強くするには
「好き」をたくさん持つこと。
社会で生きていく自信をつけるには
他人に認められること。

 

引きこもっていても
子どもは
回復や成長に必要なものを求めて行動しています。

 

「これ、いいよ。見てみて」

好きなものを見せに来る行為もその一つ。
子どもに自信をつけさせるいい機会ですから
疎かにせず
関心を持って応じてあげて下さい。

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ゲーム依存の自分を責めない

僕は大学時代に、
今で言う『不登校』様症状になりました。

一晩中 家でゲームして夜明けに床につき、
昼過ぎに起きる。
昼食をとりながらまたゲーム。
それから夕食と入浴以外ずっとゲーム。
このような日が、
3年近く続きました。

きっかけは
受験の失敗、失恋、友人が出来ない、
授業について行けない、大学の先生とうまく行かない、
その大学の校風がまるで合わないことなどだったと思います。

プライドから、それを認めたくなく、
何とかついて行こう、周りに合わせよう、
自分を大きく見せようとし続けた、
・・・そういったことが
いつの間にかストレスとなっていったのだと思います。

自分でも、ゲームは現実逃避だと分かっており、
何度もこのゲーム漬けの生活をやめようとしました。
兄弟にゲームソフトを隠して貰ったり、
兄弟の机の鍵付き引き出しに入れてもらったり・・・

でもその後決まって
頼むから返してくれと懇願したり、
兄弟の部屋に忍び込み、鋏で引き出しをこじ開け、
結局またゲームをしてしまう・・・。

友人からも叱責され呆れられ見放されても
貧血で意識が朦朧となっても
それでもコントローラーを手放せない…。

ゲームをする喜びと同時に、
自分をコントロールできない恥ずかしさを
いつも味わってました。
たまに大学に行くと、
そんな自分が周りから軽蔑されているように思え、
『お前はこの大学にいるべきじゃない』
『この学校に相応しくない』
そう裏で言われているんじゃないか、
そんな被害妄想も
出て来るようになっていました。

 『ゲームをする』
→『ゲームをする自分が情けない』
→『その情けなさをかき消すためゲームする』
この繰り返し。

その3年間から抜け出すため僕が最初にしたことは、
『ゲームをする自分を恥じないこと』
だったのです。

ゲームをする時に
「これは、気分を前向きにするためにするんだ」
と、意識してゲームする。
そして終わった後は、
「ゲームをする前より気分が良くなったのだからOK」と、

言い聞かせ、
自分を許しました。

『自分はゲームをやめたくてもやめられない情けない人間』
という受け身的イメージから
『自分は自分をより良くするためにあえてゲームをしている』
という能動的なイメージに変えたのです。

自分がこの行動を選び、
その結果少しでも良くなったところを評価する、
ということをしてみたのです。

すると
徐々にゲームへの執着が薄れ、
ゲームの時間が減っていきました。

おそらく
『自分の行動を自分でコントロールできる』という
自己効力感が回復してきたのでしょう、
そして外へ散歩に出るようになったり、
少しずつ勉強をするようになったり・・。

そして
どんな少しの努力、それこそ
英語の文章1行読む、というようなわずかな作業でも、
必ず褒めることにしました。

「まっとうな人間になるというゴールは、
 何万光年も先にあるようなものかも知れない、
でも、1ミリでもそれに近づくことが出来たのなら、それで良しとしよう」
と言い聞かせて。

数か月後には、
人目が怖くて仕方なかった僕が
フリースクール不登校生相手のボランティアをするようになり、
家庭教師のバイトまでするように!

「こんな自分じゃダメだ 今の自分を変えなきゃいけない」と
自分を責めている時はまるで変わらなくて、
「これでいいんだ 自分は十分よくやってる」と
自分を許して認めてあげると変わった。

ゲーム依存回復の第一歩は
自分を責めないことからだと思います。

後に、
アルコール依存症の治療で有名な松本俊彦先生が
同じ手法で依存症の人に関わっておられるのを見て、
「すごい!正解だったじゃん!」と
当時のダメ人間でしかなかった僕を 
改めて見直してやることが出来ました。

 

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なぜ「明日学校に行く」と言うのに起きないの?

不登校の子が
夜「明日 学校に行く」 と言うものの、
翌朝になると 
起きられなかったり、調子が悪いと訴えたりして、
結局学校に行けない、となることがあります。

何度もくり返される内 
子どもの言うことが信じられなくなった親御さんも おられることでしょう。
いつもお子さんを見守ってくれている親御さんならではの御苦労だと
思います。

しかし子どもは、
「行く」と言っている時点では 行くつもりでいます。
しかし当日の朝になると、結局 行けないのです。

不登校はまず、
意欲のコントロールが難しくなることから始まります。

これまで学校に行っていた子(11歳以上)が不登校になる場合、
人間関係だったり勉強の躓きだったり家族関係だったり、
あるいは病気や環境変化など様々なストレスの積み重ねで
ある日 学校に行こうとしても出来なくなる、
行くと具合が悪くなる…
という、無意識にストレス対処にエネルギーを使い過ぎ、
疲弊してしまったケースが多いです。

しかし学校には行けずとも、
家でゴロゴロ、ゲームばかりして、友達とは遊びに行ったりしているので
エネルギーがない、意欲が出ないだなんて嘘のように見えます。

しかし、
自分の望むことをやることと、
他者から命じられたこと、
集団(社会)のルール『~べきだ』とされていることをすることは、
難易度が違います。

他者の望むことを理解し、他者の望みに合わせるよう自分の体を操作するのは
より複雑高度な脳の働きが要求されます。

その点、自分の好きなこと、したいことをするのは
操作も簡単で、かつエネルギーが回復する行動ですので
疲弊した心身でも割と楽にできるのです。

『他者から命じられた』ではなく
少しでも『自分で選んだ』と感じられるような声掛けにしましょう。
「朝だけどどうする?」
「学校行く?どうする?行く?行かない?」など、
相手に尋ねる言い方、相手に選ばせる言い方にして下さい。
(急かさず、考える時間を与えます)
 
 答えられない『よい子』も多いです。
 (「自分のことを自分で決めたことがない」
  「自分が何を好きか分からない」という子ほど重篤です。)
 答えるまで待つ時間がないという親御さんは、
 「〇時までに起きない時は学校には休むって言うね」など決めて、
 本人に事前に了解を取り、『他者に決められた』感を
少しでも減らしておくといいかと思います。

不登校回復に必要なのは自立心です。
自立心にはエネルギーと自信が必要です。
『自分で選び、その結果を引き受ける』ということの積み重ねが
自己効力感を回復させます。

すぐに再登校できることはないと思います。
しかし
『他人を安心させるため』『他人が言ってきたから』という理由での
再登校よりも、本人の中から出て来たエネルギーでの登校の方が
子どもの成長にとってとても価値あるものとなります。

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なぜか「死にたい」気持ちが出て来る

「『死にたい』
『死んだらどうなるんだろう』
最近、そんな考えが出て来るけど、何で?」
という相談を
生徒から受けることがあります。

お風呂に入っている時や眠る前、朝起きた時、
ボーっとしている時などに出て来るようです。

入浴時やボーっとしている時など、
いわゆるリラックス状態にあるときは
理性の働き(意識の検閲)がゆるくなりますから、
無意識にある様々な思いが
意識上に出て来やすくなります。

入眠時や寝起きなどの
意識がしっかり働いていない時も同様
無意識の思いとアクセスしやすくなります。

「死にたい」なんて考えが出てくると
ギョッとする人も多いことでしょう
”自分は死を望んでいるんだろうか!?” と。

しかし
人間の身体は本来
自らを滅ぼそうと望むことはありません。
『死にたい』という考えの根底には、
『本当はこんな生き方したくない』
という思いがあります。

「死にたい」という考えが出て来るようになった、
その場合はまず、
ここ最近の自分自身をふり返ってみましょう。
自分のことを、
ないがしろにしていなかったでしょうか?

他人のことや やらなければならないこと、
人が決めたことなどで
振り回され過ぎてなかったでしょうか?

人がどう思うか、人からどう思われるか、
自分のエネルギーを
人のことを考えるためばかりに使っていて、
自分を喜ばせること、労わることに
使っていなかったのでは?

「自分を犠牲にしている、
 自分の人生を生きていない、
 楽しんでない、
 こんな生き方嫌だ」、

頭ではそう思っていなくとも、
身体はそう感じているかも知れません。


「死にたい」は 
『今の自分はまるで生きてないよ!』
『エネルギーを外に使い過ぎ!』
『生きる喜びを充電して!』という
身体の声でもあります。

無視したりせず、
自分が喜ぶことを 自分にしてあげること。

何をしたら自分は喜ぶだろう?
しなければならないことに追われていた時、
本当は何をしたかったのだろう?

自分の関心がどこにあるかを考えることも
エネルギー補充になります。

もし思いつかない場合は
(相当疲弊しているということですが)
寝ることをお勧めします。
(睡眠は 究極の自己中心の世界ですから)

自分が主となる世界に没頭することで
エネルギーは補充されていきます。

なぜか「死にたい」という気持ちが出てきた時は
それだけ頑張っているんだと知って、
まず自分へのご褒美の時間を
用意してあげて下さいね。

(*過去のトラウマなどが出て来ているというケースもありますので
 心配な方は、専門家にご相談下さい)

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震災後の登園渋り

子どもの心はデリケートです。
直接の被災ではなく、テレビ画面上の出来事でも
強い衝撃を受け、心が不安定になることがあります。


震災以来、子どもが
母親にずっとくっついていたがるようになった、
学校や園に行くのを嫌がるようになった、という相談もあります。


そのようなお子さんのお母さんに
よくお勧めしている方法を、一つご紹介します。
それは…
 
◆子どもに、(親の)身代わりとしてのお守りを渡す

 (または 家族みんなでお守りを買いに行く) …です。

いたってシンプルですが、大事なポイントがあります。

このお守りによって
『自分は親(家族)に守られている』
『自分と親(家族)は繋がっている』と、
子どもに感じてもらうということ。


このお守りは

『親(家族)の保護』『親(家族)との繋がり』の象徴(シンボル)だと
子どもに思ってもらうということ。

小さい子にとって、
目に見えるシンボルというのは重要、かつ有効です。

渡し方も、
「あなたのためにわざわざもらってきたの」
「特別に作ったの」などの
〝特別”というスペシャル感を演出して下さい。

スペシャル感、上等感がある方が
〝大切なもの”という感じを抱かせられます。

人は不安が強くなるほど確かなものを求めます。
子どもは
〝大好きな親と繋がっている”という感覚から安心感を得ます。

シンボルを持たせてあげることで

視覚化され、安心感がより確かになります。
そしてお守りなので、いつも一緒でいられます。
(小さい子に有効な方法ですが、中学三年生でも効果ありました!)


不安になっている子どもと一緒にいてあげられない、
そんな時には

身代りのお守りを持たせてあげると
こどもの不安は軽減すると思いますよ。

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不登校の原因が分かりません





不登校の原因がわからない」

今年の相談で目立ったのが、

これまで登校渋りも不登校もなく、
友人関係も集団活動も勉強も 特に問題なく学校も好き。
なのに今 学校に通えない。
生徒さんも親御さんも 首をひねるばかり。
もしかしてそれは…
自律神経の乱れから起こっているのかもしれません。

2023年、今年の夏は
1989年の統計開始以降、最も高い平均気温となりました。
その異様な暑さだけでも
体には相当こたえていたことでしょう。

​​夏の疲れもたまったまま、
厳しい残暑は秋になっても収まらず
10月となっても
全国的に平年より高い気温が続きました。
​​​
そして11月、
季節外れの暑さから一転、
気温は急に低下し 本格的な冬の寒さに…。

急激な変化に見舞われた今年。
自律神経の働きが乱れてしまったとしても、
何の不思議もありません。

自律神経とは​​24時間365日、
身体を最適な状態に保つために働いてくれている神経。
ストレス・生活習慣・気温の寒暖差などによって
働きが乱れます。

また、
2歳頃から10歳頃にかけてストレス的暗示を受けると
自律神経の乱れが起きやすくなるとも言われています。

その年齢の頃に
コロナ禍などで恐怖や不安を強く感じていた子達には
特に起こりやすいことかも知れません。
(参考文献:子どもの発達と診断3 幼児期Ⅰ)

自律神経の働きが乱れると、
本来持っている力を発揮できない、
気力が出ない、
ストレスを乗り越える力が弱くなるなど
さまざまな心身の不調が現れるようになります。

特に朝や休み明けの日など、
OFFの状態からONの状態に切り替えようとする時が
大きな負担が掛かる時。

そのような時は とても調子が悪く、
ネガティヴな感情に支配され
他人に命じられることが不快でたまりません。

意欲が出ない、身体がスムーズに動かない理由は
本人は分かりませんから
「起きられない」「学校行かない」ととりあえず答えます。
何故かと問われれば、
衝動的に思いついた理由を答えるしかありません。

​​​​​​​​​​こどもの『学校(園)に行かない』は
『エンジンがかかりません』『今、本調子じゃありません』の意味。

ここで
「学校に行かないなんて!」と
焦って無理にエンジンをかけさせ頑張らせるより
​ペースダウンを心がけましょう。
感情的になると 更なるストレスが加わりいい結果を生みません。

昼前や昼過ぎ、
夕方近くになるほど
気持ちも落ち着き
エンジンも回り出します。

そうなった時に、
「学校に行ってみてもいいかな」と
思えるようだったら行ってみる、
「教室に入れそうだな」と思ったら入ってみる、
​​​​「いや!無理!」と体が緊張するようなら今はやめておく。

これまでの
急激な変化の諸々に頑張ってこたえ
知らない内に疲れてしまっていた身体を労るよう、
ペースをゆるめて  
焦らず、できそうなことからゆっくりしていくと良いと思います。

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